電子工作を楽しむためには、ハンダ付けは必須です。ハンダ付けはコツさえつかめば、大して難しい作業ではありません。良いハンダ付けは見た目も美しいハンダ付けです。初めての方にも、初心者の方にも、美しいハンダ付けができるように、その基本とテクニックをご紹介します。

目次
 

基本その1 ハンダごてにこだわるべし!

ハンダ付けの良し悪しを左右するのは腕というよりも道具によるところが非常に大きいです。特に一番重要なのがハンダごて。ハンダごてはいろいろな種類がありますが、大きく分けると「ニクロムヒーター式」のものと、「セラミックヒーター式」のものがあります。ニクロムヒーター式のものは作りが単純で安く、100円ショップで手に入るものもあるほどです。しかし、セラミックヒーター式のものと比べると熱効率が悪く、電源を入れてから使えるようになるまで時間がかかる、熱容量が小さくこて先が冷えやすいものが多い、一旦こて先が冷えると温度が回復しづらい等、ハンダ付けのしやすさという面ではあまりお勧めできません。一方、セラミックヒーター式の物はたとえ同じワット数のこてでも、温度のレスポンスが非常によくハンダ付けのしやすさには雲泥の差があります。ずっと使うのであれば、少々値段は高いですがセラミックヒーター式の物をお勧めします。さらに、予算が許すならば温度調節機能の付いたものが激しくお勧めです。通常のハンダごてとは比べ物にならないくらいのパワーがあり、それでいてこて先の温度を一定に保てるため、加熱のし過ぎを防げます。温度調節機能付きのハンダごては、ちょっと高いですが一生モノになると思います。
ニクロムヒーター式ハンダごて セラミックヒーター式ハンダごて

さらに、ハンダごてを選ぶ際のポイントとして、「こて先を交換できるもの」であるかどうかが非常に重要です。こて先は消耗品なので、ぼろぼろになったら交換できるのはもちろんのこと、部品のサイズや、ハンダ付けしたい箇所によって適切なこて先を選ぶことによって美しいハンダ付けが可能になります。
 

基本その2 ハンダ付け失敗例を知るべし!

美しいハンダ付けのためには、ハンダ付けの失敗例と、その原因を知っておくことが大切です。「彼を知り己を知れば百戦殆うからず」です。下図に代表的なハンダ付けの失敗例を示しました。

左から「正常」「つのハンダ」「ハンダブリッジ」「いもハンダ」「パターン剥離」の例です。

つのハンダはハンダがこて先に引っ張られ、つののようになってしまった状態です。これはハンダの長時間加熱しすぎたせいで、ヤニ(フラックス)が飛んでしまったのが原因です。詳しくは基本その5で説明します。実際は使っているハンダやこてなどによっては、どうしてもこうなってしまうこともあり、程度がひどくなければ目をつぶってしまっても問題ありません。

ハンダブリッジは本来繋がってはいけない隣同士の部品の足がつながってしまった状態です。これはハンダの量が多すぎたのと、隣のハンダ箇所にこて先が触れてしまったのが原因です。これは絶対に直さないとアウトな不良です。

いもハンダは、ハンダの量が多すぎたのと、ランド(銅箔パターン)の加熱不足などにより、ハンダが球形の芋状になってしまった不良です。これは、ハンダ付けが外れやすくなってしまうので、ハンダ吸い取り線等でハンダを除去し、やり直す必要があります。しかし、程度がひどくなければそれほど問題はありません。

パターン剥離は、ハンダが固まった状態で部品面から力を加えたため、ランド(銅箔)が基板から剥がれてしまった状態です。これはリペアが難しく一番ヤバい不良です。無理な応力を加えないようにしましょう。
 

基本その3 部品の取り付け順を考えるべし!

基板に部品を取り付ける際は、背丈の低い部品から順に取り付けるようにしてください。背丈の高い部品を先に取り付けてしまうと、低い部品が非常に取り付けにくくなり、美しいハンダ付けができなくなります。
具体的には 抵抗、ダイオード⇒IC⇒トランジスタ、コンデンサ⇒電解コンデンサ、スイッチ等 という具合に。

基本その4 ハンダ付けのリズムを体で覚えるべし!

ハンダ付けは手早く、かつ正確に行う必要があります。難しいように思えますが、タイミングを体で覚えてしまえば問題無しです。下の図のように"1", "2", "3", "4", "5", "6"と数えながらやってみてください。リズミカルに♪
  部品を基板に取り付けます。この時に、部品の足をハの字に開いておくと外れにくくなります。
  ↓カウント  
「1」

「2」
ハンダごてで部品の足と、ランド(規範の銅箔部分)を温めます。2秒程度を目安にします。温めすぎると熱に弱い部品(半導体等)が壊れてしまうことがありますので注意してください。ハンダごてのワット数などにもよりますので、調節してください。目安は次のステップでハンダが全体にスーッと流れるくらいの温度です。
「3」 ハンダを流し込みます。少なすぎず多すぎず。何度もやるうちにコツがつかめると思います。
「4」
「5」
ハンダを流した後に、ハンダが隅々までいきわたるように2秒程度温め続けます。これもハンダごてのワット数によって変わるので、調節してください。
「6」 ハンダごてを基板から離します。表面に光沢のある美しいハンダ付けができていたら成功です。
 
 

基本その5 ヤニを制す者はハンダ付けを制す!


ハンダ付けは、”ヤニ(フラックス)”の役割を理解できたら初心者卒業です。ヤニは、通常の工作用のハンダには大抵含まれていて、ハンダ付けには無くてはならない超重要な成分です。上の写真は糸ハンダの切断面の拡大写真です。糸ハンダは竹の筒のようになっていて、中心の部分にヤニが含まれています。ヤニは、ハンダよりも融点が低く、ハンダが溶ける少し前に溶け広がって、部品の足や基板銅箔表面の錆(酸化膜)や汚れを洗浄します。ヤニは5秒程度で蒸発してしまいますが、その間ハンダの表面を再酸化から守ります。また、ハンダの表面張力を弱くし、濡れ性(接着する金属表面への広がりやすさ)を良くします。つまり、ヤニが蒸発してしまうまでの5秒間にハンダ付けを完了してしまうことが重要、ということです。ハンダ付けの後、ハンダ表面がツヤのある美しい状態であれば大成功。逆に表面がガビガビになってしまったら、加熱時間が長すぎてヤニが蒸発してしまった証拠です。
 
ヤニ(フラックス)の働き

応用その1 リペアのテクニックを身に着ける!

ハンダ付け不良ができてしまった場合のリペアテクニックを紹介します。通常は、はんだ吸い取り線やはんだ吸い取り器を使ってハンダを除去した後、再度ハンダ付けをしますが、「つのハンダ」、「ハンダブリッジ」、「いもハンダ」については、程度の小さい不良なら道具を使わずに、以下の方法で直すことができます。試してみてください。

 
左が正常なもの。表面が滑らかでつやのあるハンダ付けができています。
右が失敗例。加熱しすぎで表面が酸化しています。さらにハンダの量も多すぎで、いもハンダに近くなっています。

 
こて先をきれいにしたハンダごてを使って、余分なハンダを取り除きます。

 
取り除きにくい場合は、すこ〜しだけハンダを追加し、ヤニを加えてやると、こて先にハンダが流れます。
この時、あまり長時間加熱しすぎると、熱に弱い部品がダメージを受ける可能性があるので、注意してください。

 
こんな感じで余分なハンダを取り除きました。
 
再度ハンダ付けをしてやります。
今度は美しいハンダ付けが成功しました。

 

応用その2 部品を美しく配置する!

いくらハンダ付けが上手くいっても、部品の取り付け方がきれいでないと見た目も悪く、パターン剥離などの不良につながります。特にICなど足の数が多い部品は、ハンダ付けが終わった後に「部品が基板から浮いちゃった!」と気づいても後の祭りです。最悪、ハンダ吸い取り線や吸い取り器でリペアも可能ですが、なるべく一発で決めたいものです。ここでは、足の本数の多い部品をキレイに取り付ける方法を紹介します。

 
部品を配置します。

 
部品の対角となる2点のみをハンダ付けします。

 
基板をひっくり返してみて、部品が基板から浮いていないか確認します。図では少し浮いてしまっています。

 
部品を基板に押し付けながら、裏側からハンダごてを当て、部品を押し込んで基板との隙間が無いようにします。
対角側も同じように押し込みます。
残りの足をハンダ付けします。


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2014/11/24:

Maker Faire Tokyo 2014に出展いたしました。ご来場頂いた皆様、どうもありがとうございました。
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